生活をしていて家具や食器、小物などでも木製品はたくさん見ることができます。その木製品の素材である木材に国産材と外国産材があることを気にしたことはありますか?国産材を使うことで日本の森林をよくするなどのメリットがあります。一方で外国産材を使う理由でもあるデメリットもあります。国産木材を使うメリットとデメリットについて解説します。
メリット
メリット1:環境の保護と森林の機能の最大化に貢献できる
国内の木を使うことで輸送のCO2削減や外国での不法伐採の減少につながります。また、国産材を使うことで国内の森林管理にお金が入り、森林の整備をする資金になります。森林を正しく整備することで森林内に水を蓄え水害を防ぐ機能や、土砂災害を防ぐ機能などの森林の多面的な機能の発揮に貢献することができます。
メリット2:地域経済の支援になる
国内の森林のある山村地域に木に携わる仕事(森林の管理や製材等)に雇用が産まれ、地域経済の活性化につながります。国産の農産物を食べることで地域活性化の話はよく聞きますが、国産材を使うことで平野部だけでなく山村地域の支援にもなり、食だけでなく住の面での利用と支援の選択肢も増えます。
メリット3:広葉樹の利用の促進
広葉樹林のよさは広まってきており、生物多様性に貢献したり、森林浴でも広葉樹林の方が気持ちよかったり、伐った後の再生が針葉樹より自力で再生する力があったりなどメリットがあります。しかし、現在の広葉樹の利用方法は製紙チップとしての利用が大半を占めており、安い価格で取引されています。一方で家具づくりは主に広葉樹が使われ、家具は単価が高いため、国産の広葉樹を価格の高い家具に使用することで、国産の広葉樹の価値を高めることができます。
デメリット
デメリット1:国産材の家具は選択肢が少ない
日本ではほとんど生産させれていない樹種もあり、ウォルナットなどの濃い色の木材の家具を使いたい場合は国産で探すのは難しいです。インテリアショップの家具も国産材を使っている場合もありますが、外国産材の家具が多く、国産材だけで探すと選択肢が少なく探すのも大変です。
デメリット2:価格が高い
伐った木は水分をたくさん含んでおり、そのまま使うと反りや割れが起こるため、乾燥する工程が必要である。日本は湿潤な気候のため、乾燥を天然乾燥ではなく機械乾燥が必要なためコストがかかります。また、流通が少ないことや販売まで中間業者が入ることでも価格が高くなっています。しかし、現在は輸入材と国産材の価格差は小さくなってきています。
国産材をインテリアに取り入れる方法
全て国産材で揃えられているショップはあまり多くはなく見つけるのが大変だと思います。テーブルやイスなどの家具で取り入れることはもちろん素敵ですが、飾りなどの小物から取り入れることも立派な国産材を使うことに貢献できます。
家具を国産材でつくっているショップや小物を扱っているショップをご紹介しますので、国産材のグッズをチェックしてみてください。
国産材を使った家具の販売ショップ
飛騨産業
飛騨産業には国産材限定商品のテーブルやイスが販売されています。樹種はナラ・カバ・クリから選べるものもあります。塗色は木そのものの色と同じ明るいブラウンからウォルナットの様な濃いブラウン、ブラックまで選べ、インテリアに合わせた色を選ぶことができます。
カリモク
カリモクでは大きく3つ「国産広葉樹の活用・小径材の活用・国産針葉樹を使った家具づくりの挑戦」に取り組んでいます。カリモクで使用しているナラ材の国産比率は98%と高い水準になっています。また、MASシリーズでは国産針葉樹を使用したイスやテーブルなどの家具がラインナップされています。現在の日本の人工林の97%が針葉樹ですが、針葉樹の家具はあまりないのが現状です。一方でヒノキ等の針葉樹でできた家具にはくっきりした木目と優しい淡い色があり、ナチュラルでさわやかなインテリアにしたい方にはぴったりではないでしょうか。
フォレストボイス
「日本の各地域の森の木を使い、その地域でつくられた家具の中から良質な商品だけを厳選してみなさまにお届けいたします。」がコンセプトのショップです。実店舗は現在ないですが、オンラインショップで購入できます。スギやクス、ケヤキ、タケなどさまざまな国内の素材を活用しています。グッドデザイン賞を受賞した製品もあり、樹種の特徴や木目を生かした家具が素敵です。オンラインサイトには使われた木の森の説明もあり、家具にさらに愛着がわきそうです。
国産材を使ったインテリア雑貨の販売ショップ
ラ・ルース
時計や木の枠で囲まれたミラー、バッグハンガー、木の土台のキャンドル型ランプなどかわいらしい木製品が揃っています。小田原の間伐材を用いたショップで森を活性化させるなど、環境保全に取り組んでいます。HaRuNe小田原のTAKUMI館に商品が並んでいます。
オークヴィレッジ
家具も多く販売されていますが、おしゃれな木製の雑貨もたくさん種類があります。特に木のおもちゃが印象的で木育・五感の刺激にもなり、インテリアにもおしゃれに馴染むデザインです。他店のセレクトショップでも取り扱っているのを見たことがあり、目を引きました。1974年の創設当初より国産材にこだわって家具や木製品を制作しているそうです。国産材で、持続可能な製品を使いたいと思う方にはぴったりなショップです。実店舗が東京の自由が丘など5カ所あり、取扱店も北海道から九州まであります。
まとめ
国産材を使うことは、環境問題だけでなく、日本の森林・山村地域・森林を訪れる人のためのアメニティ機能もよりよくします。国産材を使ったインテリアショップも増えてきており、おしゃれなグッズを見ることができます。是非、ご自宅のインテリアに心から迎えたいと思う国産材の家具、インテリア雑貨を取り入れてみてください。
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